【OHASHIコラムvol.22】ニュアンスブルーの“雨色”のプレート/EDEN レインフラワー

 

『EDEN レインフラワー』

EDENシリーズ2020年の新色。人気の「スノーフラワー」と同じ結晶釉系の商品です。

「レインフラワー」とは「紫陽花」をイメージしてつけた名前。

青とも紫ともつかないこの美しいニュアンスブルーを一目見た時、何か雨に濡れて儚げに群れ咲く紫陽花のイメージと重なり、この名を付けました。

結晶釉系は良く見ると細かな鱗状のものが折り重なるように表情を作っているのが分かります。

これがスノーフラワーなら雪の輝きに、クリスタルグリーンなら蓮の葉のように見せてくれています。

レインフラワーはここに入る筋状の線が花弁を思わせるディテールを作っています。

地味でありますが、ベースの少しだけ緑味がかったイエローも良い仕事をしてくれています。

ブルーグリーンも同じ「雨」を思わせる表情を持つEDENの器ではありますが、切り口は全く逆。

以前の記事にも書いた通り、ブルーグリーンは雨が落ちる波紋の連続を描いたような「動」の雨なのに対し、レインフラワーは周囲の音を吸い取るかのようにシトシトと降り頻る「静」の雨。

どこか憂いを帯びたようなアンニュイなトーンが何とも艶っぽく感じます。

雨は現代では面倒な気象と見做されがちですが、農耕を主とした近代以前においては、まさに「恵みの雨」。草芽を育て、生物の渇きを癒す「命の糧」であります。

奇しくも疫病の蔓延という形で改めて考えさせられるようになった「死生観」の問題。

誰とどんな風に生きるかという一人一人の価値の置き所を問われる時代の中で、マスクもなく素顔を見せ合い、場を共有する「食事」というイベントは、これまで以上に重要な意味を持つ時間になるように思います。

願わくば、この器がその場を少しでも彩る「癒しの雨」になってくれたら、とても嬉しく感じます。

 

※この商品はオンラインショップでもご購入いただけます。
EDENフラットプレート レインフラワー φ245mm
EDENフラットプレート レインフラワー φ285mm

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